「或る夜、私はカーバの近くにいた。
その時、私はかつてあなたが見たこともないほど、白く美しい顔立ちの男を見かけた。
彼は巻毛で、それもあなたがかつて見たこともないほど美しい巻毛であった。
彼がそれを櫛ですいたため水がしたたり落ちていた。
後は二人の男(もしくは、二人の男の肩)に寄りかかりながら、カーバ神殿の周りをタワー
フ(巡回)していた。
『彼はどなたですか』と私がたずねると、『マリヤの子イエスです』と告げられた。
この折、私はまた別の人物を見た。
その人は頑丈な体格をし、ちぢれ毛であったが右目がつぶれ、ふくれたぶどうのようにな
っていた。
『彼は誰ですか』と私がたずねると『彼はマスィーフル・ダッジャール(偽キリスト)です』と
告げられた」

「まことにアッラーの両眼は健全であられる。
しかるにマスィーフル・ダッジャールの右目は見えず、それもぶどうのように脹れ上ってい
るのです」