おそらくというのは、深夜山の中で、しかも雪が降っていて月明かりもなく、視界は殆どありませんでしたし、明かりも敵に視認されないよう赤く遮光し、黒テープで口を絞ったライトだけだったので、よく見えなかったのです。
無言で前を歩く彼の後ろを周りにライトを向けつつやっちまったと思いながら歩いていました。これが同じ部隊の人なら話したりもしますが、別の部隊で、しかも怒らせてしまった人だったので、何を言うでもなく雪を踏み締める音だけが響く中ゆっくりと施設を見て回り、α地点に戻ってきました。