当時隊員をどう思っていたか母に尋ねたことがあります。母は目を閉じて手を合わせ「あの人たちは生きた神様だった」と、かみしめるように話しました。大きな爆弾を抱えた戦闘機を見送る時は「この人たちはもう帰ってこないんだ」と恐怖で足の震えが止まらなかったといいます。いまだにエンジンの音や排ガスのにおいが体に染みついて離れないと教えてくれました。語り部をする上で、隊員と関わった話を母から聞けるのはありがたい。生の言葉は重みが違います。