>>10

それから今度は少し間をおいて1週間ちょっと経ってから、夢を見た。

今度は気が付くと学校の1階、階段を降りきった所に立っていた。
にも拘わらず「あの夢だ」と分かり、今までと違って思考も明晰だった。
「どういうこと?」とか「ここからスタートしたらどこに逃げればいいんだ?」みたいなことを考えてた。
いま考えるとなんで小学校の外に逃げればいいじゃんと思うけど、あの時はなぜか思い至らなかった。
おろおろしながら、ふと階段のほうを見た途端に「ヤバい、来る」と確信して、一先ず階段から離れようとした。
でも、教室が並ぶ廊下側に視線を戻したとき、目の前に人いて思わず立ち止まった。

たしか女の人だったと思うんだけど、なんか詳しい背格好や顔が思い出せないんだよね。シルエットっぽかった気もする。
普通に考えて目の前の人も正体不明だし怖いと思うんだけど、不思議とその人に対して恐怖感はなくて、追いかけてくるモノへの焦りしかなかった。
というより、その人に害意がないのが分かるというか、喋ってないのになんとなく何を言いたいのか分かる感じだった。