そして文化祭当日。信じられないことが起きた。Q、G、Pは3人揃って学校を休んだ。
Qは体調不良、Gは親戚の結婚式、Pも体調不良とのことだったが、クラスの皆が明らかに察していた。
「アイツら当日になってパフォーマンスするのが嫌になってバックれやがった」と。
これは5、6年後の同窓会になって友人から聞いた話だが、この時3人は一緒に県外に遊びに行っていたらしい。
遊びに行った先にGの親戚の家があり、そこに宿泊する形で3泊4日の旅行を楽しんでいたという。
平日なら休んだ分の授業に乗り遅れるデメリットがあるが、文化祭ということでその心配もなく、悠々と遊んでいたのだろう。
(3泊というのは憶測だが、文化祭1日目が木曜、2日目が金曜だったので、土日を含めればこの日程だった可能性が高い。)

俺のクラスは文化祭の1日目にパフォーマンスを行う予定で、順番は柔道男子の演舞→俺のエレクトーン→悲愴感→女子5人組のダンスとなる予定だった。
しかし、ある意味目玉だった悲愴感が無くなったことで急遽内容を変えざるを得なくなった。
流石に演舞やダンスを延長させるわけにはいかず、俺がエレクトーンを2曲弾bュことで何とか滑ロく収まった。
(1曲目は当時ハマっていた実写版TFの「Arrival To Earth」。エレクトーンの発表会で弾くつもりで予め練習していた。
2曲目は趣味でシーケンスを作っていたHalo 3のメインテーマ。作っておいて本当に良かったと心の底から思った。)

結局文化祭は、フラッシュ暗算のパフォーマンスを見せつけた別のクラスが大喝采を浴び、優勝を掻っ攫っていった。
繰り返すが文化祭の1日目は木曜、2日目は金曜だったので、明くる土曜日の昼、担任は敢闘賞ということで俺たちを焼肉に連れて行ってくれた(休んでいたQ、G、Pは当然不在)。
しかし俺たちは怒り心頭だった。
優勝に向かって一丸になって取り組んでいたのに、土壇場になって予定を崩された、嫌なら何故キッパリ断らなかったのか、
あれだけ練習してたのも全部フリで本心ではほくそ笑んでいたのか、と悪口の応酬が繰り広げられていた。
力の強い不良気質の男子達は、月曜日アイツらをどうやってシメてやろうかとすら言っていた。