俺はこの時点であれは幽霊だって思ってたけど、友人は変質者の可能性もあるから警察に電話したほうがいいと冷静に言ってくれた。
俺は一応警察に電話をして、変な人に追いかけられて家に入られたという感じで説明し、警官と一緒に家に戻ることにした。友人も付いてきてくれた。

家に戻ると誰もおらず、警官も、しばらく近辺のパトロールを強化すると言って帰って行った。

その日は友人が泊まってくれることになり、俺は安心して眠る事ができた。


深夜、いろいろあって疲れていたはずなのに目が覚めてしまった。

水でも飲んで寝直そうと思い、キッチンへと向かう。
すると、友人が寝ていた布団が空になっていた。トイレにでも起きたのかなと思い辺りを見回すと、友人は立っていた。

真っ暗な部屋の中で、壁におでこを付けるような格好で。なにかぶつぶつ言っている。

俺はさっきの奴を思い出し、急激に怖くなり、友人を置き去りにして外に逃げ出してしまった。

走りながら「ごめん」って何回も思ってた。

再びコンビニに着くと、息はあがって膝はガクガクしていた。
店内に入る気にもならず、駐車場のコンクリートブロックに腰かけ、気持ちと息を落ち着かせていた。
その間、友人に何が起こったのかを考えたが、答えは何も出なかった。