先へ進んでいくとだんだんと雑草が大きくなっていき、幼い私達の背丈よりも大きな草木も増えてきた頃の事。
流石にこれ以上は危ないと思い、姉が私に引き返そうと言おうとした時です。

ふと開けた場所へ出ました。
そこは誰かが管理しているような綺麗な地面をしていて、さっきまでの雑草の荒れ具合が嘘のようでした。

その場所の周りは掛けのようになっていて、よく見ると地層が見えたそうです。
地層というものを知らなかった私達が不思議な気持ちで観察していると、1箇所だけ穴が空いていました。
大人1人がやっと通れるぐらいの大きさだったと言います。

ぼうくうごう、というものを祖父から聞いたことがあった私たちは、それが防空壕だと思いました。