キッテムはケティマ島──今はキュプロスと呼ばれている

──を取得した。そのためにヘブル人はすべての島々と沿岸諸国の大半をケティムと名づけている。古代の呼称を保持してきた
キュプロス島の都市の一つは、わたしの言葉を裏づけてくれる。なぜなら、キテウム(前九─八世紀以降のフェニキアの植民地
キティオン(現在のラルナカ)に由来)とギリシア語化されて呼ばれるその都市の名は、キッテムという名からあまりかけ離れ
てはいないからである。  ヤペテの息子や孫たちの名は、このように多くの民族に冠せられているのである。  一二九なおここで
わたしは、中断した話に立ち戻るまえに、ギリシア人読者やローマ人読者がまだおそらく気づいていない人名や地名の表記について
一言しておこう。それはこれらのヘブル語の名が、語調を整えるため、また本書を手にされる方がたの耳に快適であるようにと
の願いから、ほとんど例外なくギリシア語化されていることである。したがって本書の表記法はユダヤの土地のものではない。
ヘブル語で
はこれらの固有名詞の語形と語尾はつねに同一なのである。だからノア〔ギリシア語ではノーコス〕はノーエとなり、この名の語形は接尾辞のついたすべての変化でも不変である。