マソン結社の政治的陰謀
Dそんなにまで監視されているのでは、マソン議員はすでに公民ではなく、単にマソン結社員であるにすぎないじゃありませんか?
Rまったくその通りです。
『フラン・マソンは公民とあるべきである。……しかしすべてをおいてフラン・マソンであるべく、議員候補者であり、市参事会員であり、代議士であり、大臣であり、大統領であることはその次でなくてはならない。彼は絶えずマソン精神の鼓舞を受けることに努め、その職位の向上にしたがってその同士間の接触を頻繁にし、その間においてマソンのインスピレーションを体得しなければならない……」(゛Bulletin Masonique ブルタン・マソニック1889年267頁)
Dまったく自己というものを放棄した形ですね。ところで政界へ身を投じたマソン結社員は口頭以外の誓約をとられるのでしょうか?
R自筆署名の誓約書を徴収されることになっているのです。
『1897年の委員会は総選挙を控えて全てのマソン候補者が所属ロッジュの支部長に対し、自らの思想的所信と政見とを書き署名した上、全マソン結社の支持を得るためそれを所属ロッジュへ提出し、所属ロッジュはさらにこれを、本部へ回付することを要求する。そうしてこの声明書の思想的所信に関する部分は最近の本部委員会の声明と合致すべく、さらにその政見に関する部分は少なくともパリ各ロッジュの会議において採決された最小限度の基本的政見と合致すべきことを要求する。』(1897年委員会報告書237頁)
Dしかし選挙の期間中どこにもそんな声明書は見当たらなかったようですが?
R一般に見えるように張り出してはありません。それはマソン結社の方で『この声明書はどんな候補者も公表するのに及ばない』と規定しているからです。
Dそうなりますと、つまるところ彼らマソン候補者たちは、選挙人を欺瞞することになりますね?