○出雲神話に牡牛と蛇がなぜ投影されているのか

古代では地母神を「蛇」に象徴させていた。このモチーフは紀元前3000年のシュメールのレリーフに遡ることができる。中央の7つの枝の木の右に牡牛神「ハル」、左に蛇神「キ」配した図版がある。
牡牛神ハルは、エジプトでは「ホル」、その妻は「ハト・ホル」であった。何であれ、牡牛と蛇を左右に配置しいる構図はその後、中国の伏羲(ふっき)と女媧(じょか)に伝播している。
殷に移転した神話を継承したのが、スサノヲと櫛稲田比売神話で、スサノヲと櫛稲田比売は5000年前のメソポタミアの神、「ハル」と「キ」に由来すると考えられる。古代縄文人は、牡牛と蛇のトーテムをもっていた殷王朝の末裔民族は、後の倭人=出雲人につながる。
殷では牡牛と蛇の合体神を信仰していたことが決め手になる。そしてこの奥義はどうしても3と4の合体を表出している。そのように見えるのは七枝の樹木で、七が深く関係しているからである。それが世界樹の創世神話の原点になっている。
七枝樹の構図から、牡牛が3を蛇が4を意味し、万物がこの二神から創造されたという神話が古代のレリ ーフから読み取れる。