するとカン、カン、ってヒールが歩く音が聞こえてきました。

パッて聞こえた方向に目を動かすと、さっきの女の人が此方に、人の間を素早く通り抜けながら来ていたのです。

今思えば、最初見た時よりも、なぜか遠くに女の人がいましたし、明らかに広場全体が私を中心に大きく広がっていました。
大体2〜2.5倍くらいだと思います。

でも当時の私は、その不自然さに気づかず、冷や汗がバッて吹き出し、直感的になぜか、
「ヤバイ。引き込まれる」って思いました。

女の人がニタァって笑ってるのをみて感じた焦燥を押さえつけてどうしようと考えました。