あいつらのことだ。俺を驚かせるために何かを仕掛けてくるに違いない。警戒しながら2周目。だが何も起こらないまま2周目も終わる。そして3周目。このまま終わるはずがない。そう思いながら歩いていると……。

クスノキの向こう側でライトの光が揺らめいた。

――あいつらだ!

俺はクスノキで身を隠しながらゆっくりと近づいていく。話し声がするが、よく聞こえない。俺を驚かせる算段でもしているのだろう。もう少し近づいてみる。どうやら奴らは金網の向こうの公園にいるらしい。更に近づくと「おい!帰るぞ!」という声。あいつら本当に俺を置いて帰る気らしい。