ある日のことです。当時自分は中学生でしたので和室に入る用など
めったになかったのですが、たまたま家族が留守のとき、
学校で応援に使ううちわが和室の欄間に挿されていたのを思い出して
取りに行ったのです。すると家の中には誰もいないはずなのに、
なぜか人の話し声が聞こえてきます。ごく小さな声ですが、
和室の中からです。ふすまの前で聞いているとこんな感じでした。

「・・・・これで収まったと思うなら浅はかな・・・」
「ただ臭いものに蓋をしたにすぎないだろ、今にもっとヒドイことが・・・」
どうも二人の人物が会話をしているようです。