まず、親父になついていたはずの飼い猫が書斎に入らなくなりました。
親父が抱き上げて連れて行ってもすぐに逃げ出してしまうのです。
さらに家の中の物がなんだか腐りやすくなりました。
梅雨時でもないのに食パンなどは買ってすぐに黴に覆われて
しまったりして、台所は常にすえた臭いがするようになりました。

それから、家には小さいながら庭もあったのですが、
全体的に植木の元気がなくなり、中には立ち枯れるものも出始めました。
また屋根の上の一ヶ所につねに黒い煙いのようなものが溜まり、
何人もの通行人に火事ではないかと言われたりもしました。
しかし、はしごをかけて屋根に上ってみても、そこには何もないのです。