自分の親父と骨董の話をしていきます。親父は紡績の工場を
経営していましたが、何を思ったか50歳のときにすっぱりとやめてしまい、
経営権から土地から一切を売り払ってしまいました。
これは当時で十億近い金になり、親父は、「生活には孫の代まで困らんから、

これから好きなことをやらせてもらう」と言い出しました。
しかしそれまで仕事一筋だった父ですから、急に趣味に生きようと思っても、
これといってやりたいことも見つからず、途方に暮れた感じで、
あれこれ手を出しても長続きせず、最後に残ったのが骨董品の蒐集でした。