で、その古物商に、「お気に召さないでしょう。これら、骨董市から買ってきた
 のなら、市に戻せばいいんじゃないですかね。あの骨董市は知り合いが
 店出してるから、その一画を借りる形で。鑑札は問題ないです。
 こういうものは買う人次第のところがありますから、私がつけた値よりは
 高く売れるかもしれません」こんなことを言われたんです。それでね、
時間だけはたっぷりあるもんですから、主催者にお願いして、毎月市の日に、
ゴザを敷いて売りに出てたんです。値段は本職の方のアドバイスも受けましたが、
相場よりだいぶ安いんだと思います。けっこう売れましたから。そうして、だんだんに
親父の骨董は少なくなっていきまして。それで、3ヶ月前のことです。その日曜も
骨董市に出ていまして、日が暮れてきたんで帰ろうと、品物を片づけていました。
そしたら、わたしより10ほど歳上に見える品のいいジイさんが来まして、