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物心つくかつかぬか分からない幼少期から、
何度も見ている夢があります。
母と私が住んでいる家で火事が起き、
脱出した後、外から燃える家を見上げると、
取り残された幼い女の子が窓から私を見つめている。
彼女はじっと私を見つめている。
私は手を伸ばしたり、助けようとするが、どうすべきかが分からず、ただ困惑してその場から動けない。
そうして、女の子は炎に包まれて消えていく。
悔いや悲しみとも違う、もやがかかった様なもどかしさを抱えて、いつも私は目を覚ます。