俺が子供の頃の話。
通ってた小学校の外階段の壁に人の顔としか思えないシミがあったんだよ。
人の手で作ったとは思えないような感じ。シミだしね。
で、そのうちそこの階段のある段を踏んだら足が痛くなるって噂が流れ始めて、放課後になるといろんな奴らが根性試しにその階段まで来ててちょっとした人混みになってた。
その根性試しは徐々にエスカレートし始めて、ある日の放課後にクラスメイトがその顔にしか見えないシミに蹴りを入れ始めたんだよ。シミの上に靴の裏の後をつけて『やってやったぜ〜』って。
んで翌日、また昼休みに階段に行くと根性試ししに来た奴らが集まってるんだけど、以前と様子が違っていてさ、みんな顔のシミに向かって蹴りを入れてるんだよ。
数日経ったらシミの上には足跡がめちゃくちゃついててさ、それでみんな勝ったつもりになったのか徐々に根性試しするやつは減っていった。
それからしばらくして小学校を卒業して大人になって、同窓会があったんだよ。タイムカプセルを掘ろうっていうやつで、小学校にみんな集まってさ、ついでに小学校の思い出にふけりながら、『あの顔みたいなシミどうなったのかな』って思って見に行ったら外階段は白く塗装されて綺麗になってた。
この下にまだシミあんのかなぁ〜ってなった。