あなたは、彼が別の平和な群衆を自分のもとに集めるのを見た。
これはかの九つの部族のことである。彼らはかつてヨシヤ王の時代に、捕囚となって祖国から連れ出された民である。
アッシリア王シャルマナサルは彼らを捕虜として連行 し、川の向こうに移し、彼らはこうして他国に移されたのである。
しかし彼らは、多くの異邦の民を離れて、人がまだだれも住んだことのないほかの地方に行こうと決心した。
彼らは、それまでいた地方では守ることのできなかった掟を、そこで守りたかったのである。
彼らはユーフラテス川の狭い支流を通って入って行った。その時、いと高き方は彼らにしるしを行い、彼らが渡るまで、川の流れをせき止められた。
その地方を通り過ぎる道のりは長く、一年半に及んだ。その地方は、アルザルと呼ばれている。
彼らは、最近までそこに住んでいたのである。そして今、彼らは再び帰国の途につき、
いと高き方は彼らが渡れるようにと、川の流れを再びせき止められた。あなたが、平和のうちに集まった群衆を見たのはこのことだったので ある。
しかしあなたの民の中で残されて、わたしの聖地に見いだされる人々も同様である。
そこでわたしの子は、集まった諸国の民の群れを滅ぼすとき、残された民を守る。
その時、彼は、おびただしい奇跡を彼らに示す。」
(旧約聖書:外典エズラ記より)

「人がまだだれも住んだことのないほかの地方」とあるからには、アルザルとはおそらく世界地図には載っていない世界であろう。