この悪夢を最後にぱったりと自称神と会わない日々が続いていた。高校を卒業し、就職してからのことだ。なんと同性同名の人が職場の先輩にいたのである。顔も、そばかすではなく、ホクロで、一人称も私で色々細かい所は違ってはいたが、夢に出てきた特徴そのものである。すぐさま行動に移し、接触を試みたが、話し方、語尾、あらゆる面が夢の自称神と違う気がした。それに一人っ子だそうだ。だが、既視感ある容姿にひとつの仮説が生まれた
この世の人間にしか顕現し、話せないという説だ。思えば、椅子に腰掛けた男たちは殺気こそ放ちはするが、一言も喋らなかった。故に有力な説と言えるであろう。