やく

災厄,苦しみ,特に病苦の意味。古く人間に災厄,特に疫病をもたらすのは神のなせる業であると信じられ,その神を厄病神,疫病神,厄神,行疫神などと呼んだ。このような神の来るのを防ぐために,あらかじめ路上でもてなすという道饗祭 (みちあえのまつり) ,村境の路上に注連縄 (しめなわ) を張る道切りなどの行事が行われた。花が散るとともに疫病神が分散するという信仰から,花を散らせないようにする行事もあった。平安時代から盛んに行われた御霊祭も同じような信仰に基づく厄よけの行事であった (→御霊信仰 ) 。