ホタスさんによると、ラパヌイ人の祖先は、いつか島が隔絶された時のため食糧の自給自足の重要性を説いていた。だが、近年こうした警告は無視されてきた。
 チリ西岸から約3500キロ離れているイースター島はコロナ流行以前、食糧供給をほぼチリ本土に依存していた。
 人口約8000人の島には、毎年16万人の観光客が訪れていた。しかし、2020年3月、新型コロナ対策として入島が制限された。
 ■観光客ゼロ、収入ゼロ
 オルガさんはコロナ流行前、石でつくった小さなモアイ像を観光客に売って生計を立てていた。観光客が来なくなり収入がなくなると、欧州の探検家が島に来る前に祖先がそうしていたように、生きるために畑を耕し、魚をとった。
 「私たちには何も残されていなかった。困難な状況に置き去りにされた。だけど、畑を始めた」とAFPに語った。