関西空港で「土産物難民」急増 訪日客にはわからない日本人の心理
2023/6/11 06:00
藤谷 茂樹
https://www.sankei.com/article/20230611-UITCOLKXMFOWFFV3G62QNRFC2I/

改修工事で囲いが設けられている第1ターミナル。コンビニなどに土産はあるが、土産の専門店がなくなり「土産物難民」が増えている=関西国際空港(藤谷茂樹撮影)
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アフターコロナで航空需要の回復とともに、活気を取り戻した関西国際空港。だが最近、交流サイト(SNS)上では「土産屋壊滅状態をなんとかして」といった書き込みが目立ち、「土産物難民」が急増しているようだ
。開港以来最大の改修が背景にあるが、土産選びは旅行の楽しみの一つ。ただ旅先で土産を買って周囲に振る舞う習慣は日本特有とみられ、そのルーツをひもとけば、土産物難民の悲痛な叫びは無理もない。

土産店が見つからない!
「どこにあるのか分からず、迷ってしまった」

こう振り返るのは、東京都江東区の男性会社員(51)。5月下旬、和歌山県の実家に帰省した際、関空第1ターミナル(T1)内で土産店を探したが、見つからなかった。ようやく見つけたのが保安検査場の先、搭乗前のエリア。男性は「空港に着く前に買っておけばよかった」と悔やんだ。

土産店が見つからなくなった大きな要因は、令和3年5月28日から5年がかりで行われているT1の大規模リニューアル工事だ。

保安検査前のエリアには3階と2階に土産店が計8店が構えていたが、開港以来最大の改修とあって、3階にいたっては、そのフロアのほとんどが閉鎖。2階の店は国内線の需要回復に合わせ営業していたものの、最後の1店も工事の影響で昨年10月に閉店した。

さらに、コロナ禍も追い打ちをかけた。T1と連絡通路でつながる複合施設「エアロプラザ」の2店は直接的には改装工事に関係なかったが、コロナ禍を理由に営業を休止。そのまま今年3月末に閉店してしまった。

コンビニやドラッグストアで菓子などの土産物を取り扱うが、箱詰めの菓子を平積みする土産店はなくなり、T1を利用した旅行者のSNSには「お土産ここまで売ってないとは」、「お土産売り場コーナー全閉鎖」と戸惑いが広がっている。