実家に住んでた頃、母親が、「きのう夜中に、わーッとか、ぎゃーッとか、近所中に響き渡るような奇声を発さなかった?」などと言ってくることがよくあった。

風呂に入ってるときとかに邪魔されて聞かれることもよくあった。
そういうのが、本当に嫌だった。

近所に公園があるから、子どもたちの、アーッとかギャーッとかいう奇声が聞こえたりすることがよくあるみたいで、
あとは、一回だけ母親といっしょにいるときに、外の子どもの奇声が、俺の名前を呼んでるみたいに空耳したみたいで、
「今、タカシー!って外で誰か絶叫して呼んでなかった?」とか言われた。

そんな感じで、たぶん、偏頭痛持ちで聴覚過敏で、朝の寝起きとかは、普通の声量でも、ぐわんぐわんと頭の中に響き渡るみたいに聞こえるんだろうな。

「朝からうるさい!朝から声が大きい!近所迷惑!お隣の◯◯さんは毎晩毎晩仕事で夜遅くに帰宅して...!」と、
不機嫌というか苦しそうな顔で、喘息で具合悪くなってる人みたいな苦しそうな顔で言われたということが何度も何度もあったという記憶があったり。

あとは、やっぱり、前から何度も書いてきたように、
要は、例えるなら、桜の木の下には死体が埋まっているとか、滝壺には粉骨砕身の遺骨が大量に沈んでいるとか、霊柩車を見たら親指を隠さなきゃいけないとか、道端で死んでる猫を見かけても絶対に可哀想と思ってはいけないとか、
そういう類の話の想像力みたいなものが、ちょっとこれは、勝てないな、という、凄まじいものがある母親だった。