(続き)

八咫烏の詞(やたがらすのことば)

世界のはじまりのうちに あるいは世界のおわりのころに
石上(いそのかみ)の命(みこと)が 石を割いて その内にいる八咫烏(やたがらす)を生み出した
その八咫烏は 空を舞い 海を渡り 山を越えて 時を渡って
大和の国に おおみのゆるき しんをもって まつりにくりだした

八咫烏よ あなたは日本武尊(やまとたけるのみこと)に つかわされた使者である
あなたにわたされた しるしは三種(みくさのくさね)である
すなわち鏡と 宝剣と 八咫烏である

日本武尊が 東征(あずまゆき)のさいに あなたに命じて
彼を訪ねたる玉の国の 国つ神たちを たずねさせた
あなたはすぐれた つかいの者であり その御業は あまたあった

(続く)