物語の進行や設定を説明しているだけの台詞の応酬を「情報量が多い」と持ち上げて、考察だの補完だのをしだすのも、それが出来る「頭の良い
自分」を確認して自信を持つためだし、人間ドラマを過剰に嫌悪し嘲笑するのも、それがない自分に自信がなくなり不安になるからです。
だから、この程度の怪獣映画で国家の大事やら日本映画の破壊やらを語ったり叫んだりしてしまう。
国家の大事については、語りたい人は何をネタにしてでもこじつけて語るのでしょうがないですが、映画については完全に時代遅れの認識です。
今も富野や押井、ガンダムやパトレイバー映画の時代に生きている。この映画と一緒ですね。

社会システムとか理屈っぽいなんか凄そうな事を描いている風の作品が偉い=アニメすごい=オタクである自分すごい、と言う価値判断が絶対
だった頃で頭の中が止まってしまい、それ以上に進歩していない。
だからこそ、その古臭い価値基準をスクラップしないでビルドしているこの作品は中年オタクにウケるんです。
もっとも日本の中年オタク、50代・40代は数が多いので、的確に射抜けばリピートしてくれて儲かるのですから、商業的にはそれもありでしょう。
しかし彼らがリアルな今の社会を認識できているとは、とても思えません