山車には神が降りてくる場所としての役割がある。古い神道では普段、神は一所(ひとところ)にいないと考える。もし神に降りてきてもらうのであれば、一時的にとどまる場所(物)を用意する必要があった。この物を依代(よりしろ)と呼ぶ。

祭りでは山車を依代とし、神が降りてくるのを待つ。鉾(ほこ)や剣といった目を引く飾りには、神が降りてくる際の目印になるように、との願いが込められている。山車には他にも、神をもてなす場所としての役割がある。