咄嗟に目をそらした。
明らかに普通じゃないもので見てはいけないもののような気がしたから。
俺は再度誰かと連絡を取ろうとまたもやスマホを再起動とかしはじめた。
スマホをいじってたので目線は手に持ったスマホを見てたので少し下を向いていたのだが、また急に異変に気づいた。
手元のスマホの先にさっきのワンピースの女性の身体が見える。
つまり目の前にいる。
また変化に気づかなかった。
足元はやっぱり浮いているように見えたが、目の前で俺は下を向いていたから顔はわからない。
一番怖いのはその女の吐息のような音が聞こえたことだ。
生きてる人?よくわからん。
どうしていいかわからず固まってた。さすがに目を逸らせなかったが動くことも出来ない。
どれくらい硬直していたかわからない。
ものすごく長く感じたが、実際は数分かもしれない。

向こうも特に動かなかったのだが、吐息だけは聞こえていた。

どれくらいかして、女の手が動いたような気がした。
その瞬間にとっさに走り出した。とにかく女を見ないように自分の会社に向かって走った。
会社ならセキュリティーキーを持ってるから中に入れると思ったから。

そこからはそんなに遠くないからとにかくダッシュで走ってその時間は地下からしか入れないから地下に行って通用口からセキュリティーキーを使って中に入った。
本来はビルの警備員がいるところも通ったがやはり誰もいない。
とにかく8階の自分たちのオフィスに行き中に入ったが誰もいない。うちの会社はシステムの運用系の仕事もあったから、本来は夜勤が誰かしらいるのだが、誰もいなかった。