古くから伝えられる牛頭天皇に滅ぼされたとされる巨旦(コタン)大王とは艮の金神≠指します。艮の金神≠ヘ、全大宇宙の創造主・唯一絶対神である大国常立大神(天御中主大神)のご分霊で、国祖として知られる国常立尊です。古典では国之常立神(「古事記」)、国常立尊(「日本書記」)と呼ばれています。

国常立尊は、大地を形成したのち世界を厳格に統治し、万有和楽の世界を建設されました。ところが、時間が経つにつれて多くの神人は、国常立尊の善一筋の厳格な統治に耐え切れず、わがまま勝手な気風を強め、怠惰の濁流に飲み込まれてゆきました。

その結果、天地に邪気が発生し、それらが凝り固まり、悪霊、邪霊が生まれ、多くの神人はそれらに憑依されました。国常立尊の神威を恐れた多くの神人は、さまざまな悪計をめぐらし、国常立尊を幾千万年にわたる永い歳月、地球の艮(東北)にあたる日本の地に押し込めてしまいました。

厄病神、鬼神、たたり神、として忌避されてきた艮の金神≠フ名称は、このことに由来する俗称です。