昔家族と嫁で旅行に行った時宿泊先の宿が居間と寝室が障子で区切られてた部屋があって
今からは海が一面見えてそのロケーションを楽しむだけの部屋みたいな感じで椅子とテーブルがあっただけだった
夜に嫁と風呂から出て寝室でゆっくりしてた時その今の方からガリガリガリって畳を引っ掻く音が部屋全体に響いて、嫁も気が付いていたから障子を開けて確認しても何もなかった
そして寝ていた時嫁が汗びっしょりで俺を起こしてきた
夢の中で障子の向こうに鬼の様な者が立ってるシルエットをただひたすら眺めていた夢だったそうだ

俺も薄々気付いてるこの圧迫された空気感、何事も無いと安心させる様に障子を開けてそこでタバコを吸って嫁に見せた
俺には見える、自信があったから何も居るはずが無かったけど畳を引っ掻く音が頭から離れない全てを気のせいだと思いたかった

何事も無く眠りについてどの程度眠ったかは分からないけどチーンと何処か遠くの場所で鳴り響いた音が聞こえた
その瞬間異常な程闘争本能と言うか、危機感が働いて嫁を守らなきゃと勘が働き覆いかぶさろうとした
全く体が動かない…

足元の方で微かに馬鹿でかい何かがフラフラ行ったり来たりしてる、消えろ消えろここの中で叫ぶと
気が付かれた何故かそう思い目を瞑ろうと思ったその時、馬鹿でかい体を腰から曲げて俺の目の前に覆いかぶさった

臭い、排気ガスの様な鼻が詰まる刺激と生ゴミみたいな腐敗臭、この日ほどスタンドライトをつけっぱなしで眠った事を後悔した日はない
口が耳のほうまで裂けてまんまるなドス黒い目ん玉が2つおまけに肌の褐色が青白くてシワまで見えた
ボサボサの薄い長い髪の毛の間からスタンドライトの光がソイツの顔面を照らして、き○まが縮み上がった

ベットと一体化してる俺にはなす術もなく体感時間十分位の20秒ほどが過ぎた時、ピッて音がして電気がついてソイツは消えた

扉の方の電気のリモコンの近くに白いモヤモヤがペコっておじぎをしてふっと消えた

朝嫁から聞いた話では髪の毛がボサボサの長身の男が俺の手引いて俺と2人暗い森の中に連れて行かれてしまう夢を見たと言う

俺が今までガチでハッキリ見えたのはコイツくらい