一旦話は変わってお前らっていい感じの棒って知ってるか?知らない訳はないよな?
一応説明するが、知らなかった奴はUMAハンターと呼べないから出てけ。
いい感じの棒とは、野外探索における重要な棒で、長くて丈夫な割りに軽くて細く、
持ち運びやすい物が良い。その棒を使って蜘蛛の巣を避けたり、足場を確認したりする訳だ。
が、UMAハンターともなると探索は日常茶飯事だろ?だから毎回現地調達は効率が悪い。
そこで俺はアルミ製の丈夫で軽いパイプを加工したものを車に常備するようになった。
その時も勿論それを持ち歩いていたんだが、それがいけなかったんだな。
実は俺を目掛けて突き進むナニカは地域カエルの会であり、俺が鉄パイプでカエルをシバいてると思ったらしい。
更に、俺は藪を突き進んで来たから気づいていなかったが、いつの間にか神社の境内に入ってて、
地域カエルの会はその神社と協力してその神社を拠点に活動してたらしい。
そりゃ一般開放のある神社と言えど裏の藪に鉄パイプ持った人影が見えたら焦るわな。
が、説明したらすぐに理解を示してくれたし、巨大カエルについても教えてくれた。
実はここは南九州にいた巨大カエルの背中で、カエルを食う九州土人から逃れるため、
巨大カエルとその背中に根付いた森ごと引っ越して出来た場所らしい。そして地元住民の許可を得て、
そのカエル達には避妊去勢の後に一代限りの命を静かに過ごして貰おうとしたんだが、
今度は関東土人の猛反対に遭って迫害されたらしい。するとカエルを憐れんだ神主さんが声をかけてくださり、
神社の敷地内で地域カエル活動をしても良いと言ってくれたらしいが、関東土人は他人の敷地内でも猛反対で、
定期的に鉄パイプを持ってカエルをシバキに来るから神社自体をカエルの背中に移し、
カエルと異体同心になって徹底的に防衛してたところだったんだと。そこにいい感じの棒を持って現れた俺はまさに招かれざる客に見えたんだ。
が、そうこう話してると背中に森を生やした巨大カエルがバナナジュースをくれた。いい奴だった。
木の中にいたトトロカエルも椎の実の粉で作ったバナナクッキーをくれた。凄くうまかった。