【八劔神社】

幼稚園まで道のりに、安産子安の神社があって
近道がてらに挨拶をするのが子供との日課。
子供が生まれる前、妊娠中に流産の危険があったんだけど
家からも近いし、守ってください~ってお参りに行ってた。
だから愛着もあるし、適度に都会に住んでたから
道路とマンションの間にポツリとある、この空間が好きだった。

蝉がうるさく鳴いてて、虫嫌いの子供がうるさい~!って逃げてた。
兄ちゃんは男の子やのに、怖がりやねぇ
なんて軽口を叩きながら、ベビーカーの赤ちゃんに話しかけてた。

基本はベビーカーを押しながら、長男と手を繋ぐんだけど
神社って事で油断してたんだよね、普段は横を歩いている
長男が蝉がうるさい~!ギャー!って叫んでダッシュした。
道路に向かって突進していく長男に驚いて
ベビーカーを押しながら追いかける私。走り出す私に喜ぶ赤ちゃん。
この時の焦りと蝉の音と赤ちゃんの笑い声は今でも残ってる。

神社から道路にでた長男に叫びながら、私も道路に出て追いかけた。
ベビーカーだと追い付けないと悟った私は
道路とマンションの間にある、花が咲いてるスペースに
ベビーカーを一旦置いて、長男を追いかけようとした。
ベビーカーを置いて、さぁ!追いかけるぞ!
と歩いた瞬間、自転車が突っ込んできた。

(続く)