神明鳥居というのは、本来であれば天照大神系統の神様が鎮まる神社に建てられるのですが、その鳥居もよく見るとおかしいのです。

鳥居には、寂れかけの神社に似合わない立派な注連縄が巻かれていました。
注連縄には通常、紙垂と呼ばれる、「糸」という漢字を象形的に表した特徴的な形の魔除けの紙を取り付けて垂らすのですが、この紙垂は神社の外側に向けて取り付ける必要があります。

しかしそれが逆向きだったのです。
つまり、境内に向かって紙垂が取り付けられていた。

この時点で私はかなりビビっていました。

もしかすると、あまり知ってはいけないことがこの神社にはあるのではないか。
鏡の件と同じように、普通であれば気付かないような些細な事柄が、実はとても恐ろしいモノなのではないか。

そういった、禁忌的なものを感じ取っていたことは確かです。