中華思想が差別の思想であるとすると、王化思想とは差別したものを結合させる思想である。
この王化思想の根底には、中国の天子による支配は、力による支配ではなくて徳による支配でなければならぬという思想がある。
すなわち徳治主義である。
そこでは有徳の天子はその徳によって人民を感化させ、それによって理想の政治が実現するものとされている。
それゆえ天子(あるいは皇帝)となるための必要な条件は、その人物に"徳"が備わってることである。