彼らはプロテスタント勢力に対抗しうる革新運動と称して男子修道会「イエズス会」を認めさせたのである。イエズス会は清貧・貞潔・聖地巡礼の誓いを立て、教皇の命令には「死体のように運ばれ、盲人の杖のように用いられる」とし、上司に対する絶対服従が求められた。この徹底した姿勢が、宗教改革によって弱体化したカトリック教会に新しい息吹を与え、宗教改革に対抗する勢力の中心的存在となり、ついにはカトリック教会そのものを左右する勢力となった。