教会へのサタン侵入

金銭で聖職を買えるようになったカトリックの教皇庁に、やがてある人々が入り込んだ。1485年5月24日、トレドに異端審問所が訪れた。トレドは、ヨーロッパで当時「フラムの子ら」(後に詳しく解説)と呼ばれた人々の中心拠点だった町のひとつだった。異端審問所によって、この町に住むユダヤ人への暴行が許可された。ただし暴行が行われる前には「憐れみの時」が与えられ、町の人口の2割近くに当たる3000人のユダヤ人やユダヤ人を自称していた人々がキリスト教に改宗したようにみせかけた。その時、「フラムの子ら」と呼ばれる人々も名目だけカトリックに改宗し、カトリックに入り込んだ。彼らはこの時、自分の名前をヨーロッパ風に変えたので、カトリックでは誰が「フラムの子ら」で、誰がそうでないかが判らなくなってしまった。