この時期、哲学の探求手法(啓蒙主義)によって、思想的に神の有無が盛んに論じられるが、要するに創造物にすぎない人間が、創造者である神を理解する試みはかなうはずがなかった。イギリスでは、経験論のベーコンやホッブズ、ロックがその代表である。イギリスで思想によって神を論じる風潮を克服する道をとったのがメソジスト教会の創始者ジョン・ウェスレーの福音主義である。ウェスレーは「万人救済説」(キリストは救いに予定された人々のためだけでなく万人の救済のために十字架にかけられたとする。ただしその救いを受け入れるか受け入れないかは人間の選択によるとする)と、「キリスト者の完全」(キリスト教徒は実際生活において聖化された完全な状態にならなければならないとする)