でもAは自分の手を見て、急に真顔になった。ふざけてるんだと思って、相変わらず俺は大笑いしてたけど、Aは「おい、見ろよ」と俺に言ってきたんだ。Aは手を俺に伸ばしてたから、手を見てほしいんだなと思った。家は暗くて手は見えにくかったけど、なにやら白くてネバネバしたのがついてたのが分かった。精液…そう思った。けどどうやらそれは違くて、近くに少し大きめの白ペンキのバケツが転がってたから、Aの手はペンキに汚れたことがわかった。俺はすかさず、「ペンキだよそれ」って笑って言ったけど、Aは「そうじゃない、違う、」と言って白ペンキのバケツを指差した。