確かに、カッターで切ったような傷が先生の腕やら肩、自分では届かないようなうなじ、
ぺろっとシャツをめくって見せてくれた背中にまでその切り傷が及んでいた。
仮に先生が自分でしたにしても、絶対に届かない場所だ。
よく見たら手の甲とか、見えるところにも傷があったことに後から気づいた。


俺がその傷を見て、ぞわっと全身に鳥肌がたったことは想像に難くないと思う。
時間が少し経っていた傷とはいえ、異様な先生の傷だらけの身体は、
子どもながらに本当に怖かった。