雪ちゃんの家は徒歩3分なんですが、少し奥まったところにあり普段その道は通らないので、あまり雪ちゃんやKさん家族を意識する事もありませんでした。

それでも地元で数年過ごしていると雪ちゃんの家の前も散歩だ何だで通る時もある訳です。

その時に何度かおばさん(お母さん)らしき人の後姿は目にしました。
頭に毛糸の帽子を被っていてやけに髪が短いので、気になって母に聞いたら病気をされた様だと。
抗がん剤の影響で抜けた髪を隠しているんだろうなと理解しました。
母も雪ちゃんのお母さんを長く見たことは無く、あまりKさんのお宅の事は知らないそうです。
お父さんは私が東京にいる間に亡くなったようです。

それで先々週に雪ちゃんの家の前を通った時に玄関から出てきたおばさんと目が合ったんです。
向こうは当然私が誰かは分からないでしょうが、私もぼんやり記憶にあるおばさんの顔と全く違くて驚きました。
母にその話をすると病気をされたんだし、そもそもあんたの小学生の頃の記憶なんてあてにならないと言われて、たしかにそうかもとは思ったんです。

それでもあまりに別人に見えて、雪ちゃんの家の前を意図的によく通ってもう一度確認しようと思ったんです。

そしたら一昨日犬の散歩中に雪ちゃんに会ったんです。雪ちゃんと名乗る人に。
挨拶から犬を撫でてくれて会話をしている時に、何処から来たんですか?と言われたんですぐそこの○○です。
と答えたんだけど、私はその人が雪ちゃんの家から出てきた親戚か何かかと思ってました。
だって全く違う顔なんです。背も165pくらいあって顔の作りから異なる別人なんです。
話の途中で雪だよ。覚えてる?と言われて、曖昧な返事をしました。

最後に雪ちゃんを見たのは彼女が高2の時です。そりゃ人は変わります。
でも高2の時の雪ちゃんは150pもない位だった。
よくよく思い出すとおばさんもものすごく小さい人だったのに、先々週見たおばさんも160p位あったように思える。

2人とも私には全く違う人に見えるんです。
雪ちゃんに関してはもう完全に別人です。

これって何なんでしょうか。今でも子供の頃の雪ちゃんの顔は思い浮かべられるんです。
その頃ともう顔の形すら違う。
何だか不気味で。