俺はそんなおっさんに強く当たることが出来なかった。おっさんは悪人ではないからだ。少し気を抜けばすぐにでも振り払ってゲロ吐きながら逃げていってしまいそうになるのを抑えて、俺はおっさんを連れて自分の家に帰った。
両親なら、一人息子に寄生するこの頭のイカれた気持ちの悪いおっさんの異常を糾弾してくれるのではないかと思った。
だが、ことはそう上手くは運ばなかった。両親は俺から話を聞いたあと、おっさんを見て、1度拾ったのならきちんと面倒を見なさいとだけ言ってそれ以来一切の干渉をしてこなくなった。
もう心底絶望したね。