そんな話を聞いて、私は感心した。なるほどいただき様は本当に、ただ貰うだけの神様だったんだなって。そうしてみると、いただき様の名前も、山の頂って意味も勿論あるんだろうけど、それよりかは物を頂くって意味の方が強いんじゃないかなって思った。思ったので、その名推理を山田のおばさんに突き付けてみた。そしたらおばさんは、「そうかもねぇ」って曖昧に笑った。ダメだ。あんまり決まらなかった。年取った大人はあんまり話に乗ってくれない。

そんなこんなで、今更知った知識を踏まえて小学生の頃の思い出を振り返ると、私の行った儀式の数々は、神とは名ばかりの妖怪変化に自分のおもちゃやお菓子やガラクタを捧げまくった日々だったんだなぁと何だか微笑ましいような怖いようなイラつくようなよく分からない感情が浮かんでくる。