仕方ないので私はお母さんから村の知り合いの電話番号を聞き出して、唯一おかあさんが知ってた、今おじいちゃんの家の管理をしている隣の山田さん(仮)の家に電話をしてみた。我ながら大した行動力だと自画自賛している。

その結果分かったことは、「いただき様」がいわゆる祟り神ってやつだったってことだった。

山田のおばさんが言うことには、

・いただき様は昔、里山のものを片っ端から強奪していく妖怪変化みたいなものだったという文献が残っている。

・村のご先祖さま達がお坊さんを呼んで、その妖怪変化と交渉を試みたところ、村の人達が捧げられるものを捧げてくれれば悪さはしないという方向で話がまとまった。くれるものが豪華なら他の悪いものから村を守ってやるとも。

・そして、当時その妖怪が巣食っていたお山のてっぺんにお社を立て、「いただき様」として妖怪を祀ることにした。いただき様にお供えをしているうちは平穏な年が続いたので、次第にいただき様は神様として扱われるようになった。