Dベビーメリー
祖父母と同居して1年後私が産まれた。
同じ寝室にベビーベッドを置き、ベビーベッドの柵にベビーメリーを取り付けていた。
私を寝かしつけ、ベビーメリーの電源を付けたまま1階に下り夕飯の支度を始めた母。

程なくして私が大声で泣き始めた。
慌てて階段を登り寝室に入ると、泣きじゃくってる私の上でベビーメリーが音を鳴らしながらくるくる回っている。
私を抱き上げあやすとすぐに眠りにつき、起こさないようにそっと布団に戻し、今度はベビーメリーの電源を切ってからキッチンに戻った。

しかしまた私が大声で泣いた。
困った母はすぐに目の届く1階の部屋に私を寝かせようと、また寝室に向かう。
部屋に入ると、泣きじゃくる私と電源を切ったはずのベビーメリーが音を話しながらくるくる回っている。
電源切ったよな…?と思いつつ、恐る恐る私を抱き上げその場であやしていると
ピタッとベビーメリーが止まった。
それと同時に母もあやすのを止め、ベビーメリーに釘付けになる。

するとベビーメリーは錆びついたかのようにギギギとゆっくりとまた動き始めた。
音楽も動きに合わせて不気味なくらいゆっくりと流れる。
ゾゾゾと背筋が凍り、私を抱き抱えたまま1階の祖母と兄の所まで駆け降りた。

母の血相を変えた様子に祖母はギョッとしていた。先程の事を伝えると、祖母はえー?と怪訝そうに眉を顰めて1人で2階に登っていった。
暫くして祖母は何食わぬ顔で戻ってきて止まってたよ。気味が悪いからベッドからは外しておいたと言われたそうだ。