@猫の不審死
今や猫は室内飼いが当然だが、この時代猫は家の中と外を自由に行き来させていた。

ある時母が外出しようと玄関を開けると門扉の柵の隙間に飼い猫が挟まっており、口からは吐血していて既に亡くなっていた。
普段門扉はしっかりと閉めていて、猫は柵の隙間をするりと通って行き来していた。

母はその子の口元を綺麗に拭き取り、そのまま供養したそう。
後から知ったが近所には庭に糞や花壇を荒らされるからと、猫を毛嫌いし毒を撒いている住民がいたらしい。
母は猫を野放しにしている自分にも非があると思い、特に騒ぎを起こしたりはしなかった。

この猫の不審死から少しずつ変な事が起こり始めた。