埼玉大学のほど近くでラーメン店を営む吉田昌平さん。 10年前の開店当初から、脂さんは常連として通っていたそうです。 吉田さんいわく、「脂さんはプロの食べ手」。
自分の大好きなお店にもっと有名になってもらいたい一心で、吉田さんを応援。 時には味の研究のためと、吉田さんを他のお店に連れて行くこともあったそうです。
ちょっとおせっかいがすぎるようにも思えましたが、そんな脂さんの「人間くさい」人柄が吉田さんは大好きだったと言います。

脂さんが亡くなる前日にもメッセージのやりとりをしていた吉田さん。 そこには、亡くなった日にどうしても行きたかったラーメン店の名前が残されていました。


【たどり着けなかったラーメン店】
脂さんが行きたかった東京・板橋のラーメン店。 店主、木村政美さんと脂さんの間にも、20年にわたる親交がありました。
2019年に木村さんが独立した際には、誰よりも祝福してくれたと言います。 お店の厨房には今も脂さんの写真が飾られ、木村さんの仕事風景を見守っていました。

これまでSNSでやり取りすることが多く、脂さんの住所や電話番号を知らなかった木村さん。
死後、ご遺族に連絡を取ろうとしたそうですが、その手段が見つからず心残りを抱えていました。


【脂さんにお線香を 店主たちの思いはかなうのか】
「脂さんに手を合わせて、自分の気持ちを伝えたい」
店主たちの思いをどうにか叶えられないか、私たちはご遺族へ連絡を取る方法を探しました。
そこで脂さんが残した投稿をもう一度遡って読み返してみると、意外な手がかりが…。

脂さんと店主たちの物語はその後予想外の結末を迎えるのですが、この続きはどうか、番組をご覧になって確かめていただければと思います。
今回はお話を伺うことができなかったのですが、吉田さんと木村さん以外にも、脂さんに思いを寄せるラーメン店主の方々がたくさんいます。
思い出を語る店主の皆さんの優しいまなざしは、今でも心に強く残っています。

脂さんを取材して、何か一つのことに熱中し周りからも尊敬される、そんな生き方が素直にうらやましく思えました。
脂さんの人間くさい生きざまを、どうか皆さんも目に焼き付けてください。
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=32288