"影"はプールの真ん中までゆっくり歩き、そこで止まりグルッとこちらに光を向けてきた。異様に眩しい光で半目になりながらも"影"のことを見ていた。"影"は2秒ほどこちらを向きながら停止した後、早足で左側へ消えて行った。左側へ消えてすぐに動けるようになって、考えるより早く行動していた。消えた方向へ周りこんでみると、そこら一帯には何も居なかった。人影も光も無かった。