そのときB男からの着信があったので出た。ガチャガチャ音はとまった。嗚咽ばかりで声がでない。B男の「大丈夫かよ!」という声が聞こえたらしいA子はふたたび笑いながらガチャガチャを始めた。
B男はそっちに行くといい、少し安心して自分も武器のクイックルワイパーを握りしめた。
ガチャガチャは収まったが、今度は爪でドアをひっかくガリガリ音になった。声もやたらに低くなり「一緒に行こうよ」という叫びになった。
そのあたりで外が騒がしくなり、大家とともに警察が来たらしく、A子は警察に捕らえられた。B男は実家に自分を連れて行った。
B男によると、解散したあとA子の部屋に戻ってみると、ドアが開いていたので入ってみたところ、異様な雰囲気だった。
床やベッドに包丁が突き刺さり、あらゆる紙に赤いマジックで落書きのようなものが書かれ散乱。肉みたいなものもあちこちに落ちていて腐敗していた。
そこで不安になり自分に連絡したとのこと。A子は爪ではなく包丁でドアをガリガリしていたらしい。
事件から3日後、警察のところにいった。A子は発狂していて事情聴取もできない。
警察に事情を話したが、何も解決しなかった。
その後、B男と一緒に有名なお寺でお祓いをしてもらった。霊視をしてもらったが何もついてないという。
最近は、心霊スポットに行ってよからぬものを憑けて帰ってくる若者が増えており、そういうときはお祓いしてもどうしようもないらしい。

>>54以降に続く