その時、何を思ったのか…やめればよかったのに自分はドアについてるスコープを覗いてしまった。

スコープから見えたのは、不気味なほど、目をカッと見開いて歯が見えるほどの満面の笑みを浮かべたA子の顔だった。
そんな満面の笑みの表情を浮かべたまま、笑い声も上げず微動だにせずフリーズしたみたいに静止した状態でドアの前に立ってた。
自分はもうそれで玄関にへたり込んでしまった。腰が抜けて立てなくなったのは生れてはじめてだった。
でもドアノブがガチャガチャガチャと回る音が聞こえてハッとして、慌ててチェーンをかけた。
ドアノブをひたすらガチャガチャガチャさせながらA子は「あけてよー、ねぇ〇〇ちゃんー?どうしたのー?ねぇー?」ってひたすら喋ってた。