午前10時くらいだったと思う。
「こんにちは〜」
後ろから聴こえた声は女子高生だった。
俺は焚き火にかけた味噌汁を作ってた。
女子高生 「なにつくってるんですか?」
俺 「昨日釣れたオジサンの味噌汁」
女子高生 「えっ!おじさん?」
俺 「この魚さ」
その時の女子高生の驚きの顔は忘れない。
オジサンは沖繩での呼び名、スズキ目ヒメジ科の魚類で沖繩では外道とされる魚、簡単に釣れる。
女子高生 「ヒゲ‥」
俺 「こんなにヒゲがある魚なんて見たことないよね。俺も沖繩に初めて来て驚いたんだ、食べてみる?」
女子高生 「えっと、はい」
俺は紙皿に味噌汁のオジサンを少し乗せ、割り箸と共に手渡した。